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Sifuあだちや 土に還る鞄 #7

 

冬に咲く大輪の紙布

 

 

新年があけて、2018年も半月が過ぎました。

「Sifuあだちや」×「メニサイド」は新年早々から、慌ただしくきちんと挨拶もままならずに時が過ぎております。

今年も何卒宜しくお願い申し上げます。山茶花の下で、対に並ぶのは紙布でできた一升瓶とワインのボトル袋です。

2本はまるで夫婦のようです.。山茶花は冬の寒さが厳しくなる頃に大輪を咲かせる花として、花言葉の中に「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」「謙虚」などあります。まさしく、ひとつの物語のように見える私の好きな写真の一つです。

今日は、1月15日。私の記憶の中では「成人式」という印象が強く残ってますが、今では、第2月曜日が成人の日とされていて、迎える年によって、違ってしまうのも、そして15日が特別な日にちではない寂しさも少しあるのは、私だけでしょうか・・

ともあれ、私の娘も無事成人の日を迎へ、式典後にまた合流して東京都庁の展望レストランで夜景を見ながら、大人への仲間入りのお祝いをしました。

都庁45F Good View Tokyo

 

ディナーの後はメッセージ付きのデザートを楽しみました

彼女が選んだのは、今の流行り柄ではなく、沖縄の「びんがた~紅型」です。成人式は礼装でと、昔ほどあまり拘らずに今は、好きなのを着付けても良い時代です。

色鮮やかで、とても存在感のある着物で、友人たちともかぶらずとても満足していました。

 

着物の話をしましたが、今自宅の機織り機には着尺がかかっており、いつから織り始めたのかも忘れてしまうくらい時間がかかっています。

機織り教室「はたおと」にて

 

織り上がったら、浴衣か、作務衣かにしようと思っているのですが、仕事のせいにしてはいけないとは思いつつ、やはり、仕事優先で、お教室も休みがちになり、年末近くになって、ようやく自宅に持ち帰って少しずつ織りすすめている状況です・・・

唯一救われるのは、長いこと同じ縞柄を見ていても飽きないということでしょうか。

 

 

 

 

 

横糸が均等にうちこんであるかどうか、時々分解鏡で確認をするのですが

ひと枠に、約18段になるように横糸を入れていきます。打ち込むのに強すぎても、弱すぎてもよくないのです。あまり綺麗とは言えませんが一応収まっているようです。

鹿児島で大島紬を仕事として50年くらい織っている親戚がおりますが、1反は半月もあれば織りあげてしまうようです。勿論、織り上がるまでたくさんの職人さんが関わります。整形・糸撚り・糊付け・刷込染色その他様々な職人の手仕事が加わって織る作業に入るのです。

大島紬は織り上げる糸に柄になるように染色して、経糸に緯糸を打ち込んで柄を完成させます。このようなスゴ技を半月で仕上げてしまうのは、本当に尊敬する素晴らしい職人技ですね。


着物から、ついつい暢気な話の流れとなってしまいましたが、紙布については今年は少しづつ流れの変化がおきそうです。

これまであらゆるところで種まきをしてきました。先日は年明け早々に岐阜県美濃市へ泊まりで出張し、M7(美濃会議)なる集まりにも参加してきました。美濃和紙の町、美濃市を盛り立てる為に若い後継者の人たちの集まりに、東京代表??にて参加です。活力あふれる方々が引っ張る美濃市は、益々目が離せません。

 

 

「Sifuあだちや」はこれからも「こと」「もの」「ひと」との出会いを繋ぎつつ、2018年はたくさんの大輪を咲かせていけたらと思っております。

 

「 大器は晩成す 」

たいきはばんせいす

大きく立派な器ほど完成するのに時間はかかるものです。努力してもなかなか結果がでてこない。もどかしさを感じる時でさえ実は器が大きく広がっているときでもあるのです。焦らず、じっくり歩き続けていけばいつかは大きく花開く時がおとずれるのです。

今日はこの言葉が心に響いた論語です

takako.n

 

 

 

Sifuあだちや 土に還る鞄 #6

 

私と紙布と河の流れ

 

 

いよいよ、2017年も終わりとなります。

今年もお世話になりました。来年も何卒宜しくお願い申し上げます。

毎年慌ただしい年末のなか、やり残しに後ろ髪を引かれながら年越しのカウントダウンにはいっております。

12月の展示会は無事に閉幕し、翌週すぐにご報告もかねて桜井貞子先生への今年最後のご挨拶に、水戸へとお訪れました。

先生は、来年1月に開催する作品展の出品に向けて、作業のあい間の貴重な時間を、私にくださいました。

この日は、紙布の歴史についてのお話を聞かせてくださいました。時は安土桃山時代から、戦国時代へと逆上るとても興味深い内容でした。

とても長い物語となるのでまた次回のブログにてお話したいと思います。


 

今年、最後の展示会についてご紹介いたします。

 

12月6日から3日間、東京ビッグサイトで開催された「新ものづくり・新サービス展」では初日の開会式後、ご来賓の前で補助金の成果発表をさせていただきました。

これまでの、成果、活動そして今後の更なる経済活動への動向について、しっかり発表ができ、大役を失敗することなく、なんとか初日を無事こなすことができました。

私の右腕となる、15年以上働く彼女のアイコンタクトが「大丈夫ですよ」と無言の笑みが、助けとなりました。

8日まで、多くの方々が紙布のブースを訪れてくださり、新作の「紙わざシリーズ」の紙袋仕様の紙布袋や、日本酒袋やワイン袋を興味深く、様々な質問をしてくださり、また、多くの方々が写真を撮らせて欲しいと撮影をされていきました。

美濃和紙を紙布用に双糸へと撚りをかけた紙糸

 

 

 

 

 

 

YKK製紙ファスナー~スライダー・ムシ・テープも全て紙

 

#人気の紙わざS.S

#一升瓶の紙布袋

#ワインの紙布袋

#美濃和紙の糸

#美濃和紙の組ひも

#美濃和紙の生地

#紙のファスナー

 

 

 

右が新品のDEKAバッグ、左が洗濯機で洗いながら、1年半使い込んだ紙布バッグです。使い込むと、風合いは柔らかくなりました。

 

丸安ニットの伊藤社長と一緒に、書道家で、ご自身で雑貨のブランドをもち、多方面に活躍中の緒形幹太さんも応援に来てくださいました。

実は緒形幹太さんとは、昨年9月に名古屋の400年の有松絞りの歴史をもつ「竹田喜兵衛商店」を訪れた時に、書道家として展示会を開催している際に、出会ったのがきっかけでした。背が高くスラっとして、お父様の緒形拳氏にも面影がよく似た素敵な方です。

今年の展示会へは、お取引様、仕入れ先様、あだち産業センター様、東京都中小企業振興公社様、信用金庫様、中小機構様と多くの方にお越しいただき、盛り上げていただきました。 深く感謝申し上げます。

あと、何時間かで日本は2018年を迎えます。

多くの方々のご協力、応援、励まし、そして支えがあって2017年から2018年を迎えることができます。

私は、「ものづくりとは、人づくり」と たびたび言葉にしますが、実に日々体験しているのです。そして本当は人に恵まれた中にいるのだと思えるのです。

 

「 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず 」

川の流れは絶えることがなく、常に移り変わっていきます。水しぶきや、消えたり生まれたりする水泡も一つとして同じではないのです。

世の中も同じで、私たちは、10人いれば十色で、人生には敗者も勝者もないのです。そして、大きな流れの中では小さな存在でしかないのです。だから、おごることも、自分の力を過信することなく、人に支えられ生かされていることに感謝することが大切なのです。

今日はこの言葉が心に響いた論語です。

takako.n

 

 

Sifuあだちや 土に還る鞄 #5

~袖振り合うも他生の縁 と紙布の縁~

 

 

紙布とは、使い込んで、洗い、また使い込んでいくほどに、使う人の経年変化が出てきます。ある種、革と似ています。

仙台藩白石(現・宮城県白石市)では、城主片倉家の保護・奨励のもとで当時盛んに紙布が生産されておりました。

しかし、幕府体制の崩壊と明治時代以降の産業の発展に伴い、白石の紙布は大正期には途絶えてしまいました。

昭和15年(1940)、片倉家子孫の片倉信光氏は、奥州白石郷土工芸研究所を設立し、郷土の伝統工芸の復興に尽力しました。研究所設立により以前に取り組まれていた紙布づくりは、昭和16年に復活しましたが、戦争により再び顧みられなくなったのです。

片倉信光氏が言います。(旧仙台藩家老・白石片倉家第15代当主)

「紙布とは使い込んで完成品」


11月は荒川区産業展への出展販売をはじめ、東京ビッグサイトで開催された「新価値創造展2017」への出展と、多くの方々へ紙布の紹介と紙布を通じての色々な出会いもありました。

そのひとつ、3人の女性たちとの素敵な出会いは、紙布の新しい形を表現してくれたのです。

こうてん桑に咲く「紙布花」

紙布を花に見立てて、花のランプシェードを制作してくれました。

彼女たちは今年、文化服装学院を卒業しそれぞれフリーランスで活躍している “参” のデザイナーです。

 

BEBI ・・・・・服作り人  1995年横浜市出身。 在学中より雑誌やミュージックビデオに衣装提供、スタイリングを行う。卒業後は投資を受けアパレルブランドの立ち上げ・商品作成をし今年8月に即売会を開催。12月に個展開催予定。今あるものを材料にした再び着てもらえるアート  Instagram : @sayabebi 

ChaNkRo ・・・・・1995年千葉県出身。  文化服装学院卒業後、渡英。 独自の作風のイラストを中心とした活動に加え、Tattoo stickerの製作、写真、アクセサリー製作など様々な場面でも活躍中。 東京とロンドン合わせて2回個展を開催。     Instagram : @k.chankro  

HANA ・・・・・1995年埼玉県出身。  即興的な感覚を重視したものづくりを作風としている。 今年8月にkotohayokozawaと共に表参道rocketにてアクセサリーのイベントに参加、12月からWALL福岡にて初の個人でのポップアップを展開する。  Instagram : @hnmn06

こうてん桑に咲く「紙布花」は東京ビッグサイトの新価値創造展でのブースを彩ってくれました。彼女たちの今後の活躍がとても楽しみです

新価値創造展2017 
新素材 I-195

 

12月は6日より3日間東京ビッグサイトで開催される「新ものづくり・新サービス展」(東7.8ホール/G47)に出展いたします。その時も「紙布花」が彩りをそえてくれます。

和紙の組ひもと、紙ファスナーを使った「紙わざ」シリーズもご紹介する予定です。

「紙わざ」
一升瓶/ワインボトル 紙布袋
YKK製紙ファスナー使用
「紙わざ」
紙布袋

 

 

 

 

 

 

 

 


 

11月24日 美濃市を訪れました。

この日は、昨日から続く晴天でした。

名古屋で丸安ニットの伊藤社長と待ち合わせて車で1時間半あまり。

美濃市観光協会の事務局長池村さんはじめ、美濃市でご活躍されてる皆さんに、伊藤社長よりご紹介いただきました。

美濃市 うだつの町並み

 

こちらの、うだつの町並みで和紙に包まれた幻想的な灯りがともり「美濃和紙あかりアート展」が開催されるのです。

 

 

 

うだつがあがっている、うだつです。

 

 

 

 

「うだつがあがらない」と聞くことはありますが、こちらの町並みは、とても栄えたことで、どこのお屋敷も「卯建があがって」いました。

 

歴史ある美濃和紙の卸店~

松下永助紙店 取締役の松下さんにお会いいたしました。素敵な方でした。

九重製紙企業組合の理事長さんには、ソールフードをおしえていただきました。

 

アベイユ.エスさんのアップルケーキとコーヒーで心がほっこりです。

 

紙遊で丸安さんの靴下の購入です。

 

maffonの靴下は、和紙が織り込んであって、デザインが可愛いだけでなく、足の臭いにお悩みの方にも最適です。

和紙の消臭力で、ブーツや、靴を脱ぐお座敷での宴会も、気にやむことは無くなるスグレモノです。

 

 

あかりアートの準備など、皆さんお忙しい中ご親切なご対応をいただきました。本当に感謝申しあげます。

 

紙布から~、織るように繋がりが広がっていきます。11月も、素敵な出会いがたくさんありました。


 

 「 袖振り合うも 他生の縁 」

そでふりあうも たしょうのえん

一生のうち私たちは、何人のひとと出会うでしょう。お互いの袖が触れ合うだけの出会いであっても、この広い世界にいる人々の極一部の人でしかないのです。

その一瞬の出会いであっても、もしかして前世からの縁なのかもしれません。その出会いが起こる確率を考えると、小さな出会いであっても、大切にしたいとの気持ちが生まれれば、その出会いはこれから大きく広がる出会いの始まりかもしれません。

袖振り合うも 他生の縁 紙布に出会ってから、小さな奇跡の出会いが続いているように思えるのです。

今日はこの言葉が心に響いた言葉です。

takako.n

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sifuあだちや 土に還る鞄 #4

 

~体験の紙布から 学びの紙布~

 

農園へ、耕しの遅れを取り戻す為に早朝から行きました。雑草がところかしこに蔓延り、長い時間をかけて引き抜いて、最後の夏野菜の残りを処理しました。

土を耕しながら、葉が10本以上に増えた人参を抜くと20cm以上に成長した姿となっていました。

今年は土をしっかり耕運機で耕し柔らかくしたので、真っ直ぐに育ってくれたようです。

里芋の葉を見る限りなんとか育ってくれているようですが、昨年より天候のせいかいくらか、小さいようです。

収穫した野菜はそれぞれ保存したり調理をしますが、まずは、バジルは前回はジェノベーゼにしたので今回は乾燥バジルにしました。

キッチンペーパーの上にバジルを並べて上からまたキッチンペーパーをかけてはさみ500Wで2分電子レンジにかけてひっくり返してまた同じように繰り返してカラカラに乾燥させて保冷袋で冷蔵庫に保存。

その後の調理は、ご近所に野菜のおすそ分けした時に教えていただいたレシピで「無限ピーマン」を作ってみました。

材料はピーマン5個・ツナ缶1・その他調味料

①ピーマンは5mm幅の輪切りにして、ツナ缶は油を切っておきます。

②耐熱皿に①を入れごま油大さじ1・鶏ガラスープの素小1・塩/コショウ少々・ラップしてレンジで500wで3分

③レンジから取り出して白ごま少々・かつお節少々かけて出来上がりです。

調理は簡単でピーマンの苦味もなく、とても美味しくいただけました◎



http://江戸・TOKYO 技とテクノの融合展

こんな感じに久しぶりに、今日一日休みをとってまったりと過ごしました。9月28日に出展した東京国際フォーラムでの展示会「江戸・TOKYO技とテクノの融合展2017」では、たくさんの来場者の方々が、「Sifuあだちや」のブースに足を運んでくださりとても大盛況でした。

お忙しい中お越しくださったお取引先の皆様には本当に感謝申し上げます。段々とかいを重ねるごとにお越しくださる皆様に楽しんでいただく為に体験型の展示といたしました。鞄での体験型はあまりないのではと、印象に少しでも残ってくださればと思っております。

  

 

陳列はやめて、見せて訴えるスッキリとした展示にしてみました。

カタログも、新しくしましたが、ソニックバンさんのご好意で作り上げてくださったものです。

本当に感謝です。ありがとうございます。

展示に新しく加わった和紙の組紐は、紙袋の持ち手として、皆さんにお配りいたしました。

左:3本撚りの8錘の組紐
右:3本撚りの16錘の組紐

以前ブログで紹介いたしました、和紙の組紐は2本の双糸で組んだものでしたが、こちらは、3本の双糸を使った組紐を再度、東京都立産業技術研究センターさんで生産可能な組紐として開発して頂いたものです。

前回の産技研さんでの検査の結果、2本撚り16錘では、31kgの引っ張り強度が確認されましたので、3本撚りですと単純に1.5倍となるかどうかというところでしょうか。後日また検査にかけてみるつもりです。

さて、3ヶ月前に16錘の和紙の組紐を工場長の片足のみ靴紐として結びつづけてきた結果ですが、

和紙の靴ひもは一度もほどけることはありませんでした。もう片方の従来の靴ひもは、その間何度も結び直してました。やはり、靴紐としての機能も兼ね備えているようですね。私の会社はシューズに関しては素人ですので、是非とも、専門の会社の方に検証をしていただきたいですね。

私の娘たちが小さい時は、靴紐のあるシューズを履かせた時、踏んで転びそうになる姿をみては「ほら、くつひも直しなさい」と、しょっちゅう言っていた記憶が蘇ります(笑)

 

「黙してこれを識し、学びて厭わず、人をおしえて倦まず」

もくしてこれをしるし、まなびていとわず、ひとをおしえてうまず

新しいことを知ると、すぐに人に伝えたいという気持ちがうまれます。でもそんな時はぐっと我慢して、黙って新しい知識を覚えることに集中します。そして完全に自分のものになるまで諦めずにその根本を学び取ります。それができてから人に教え、熱心に飽きることなく相手が理解するまで教えることです。ちょっとかじっただけのことではなく、しっかり会得したものを相手が同じように会得するまで教えることで知が広がるのです。

今日はこの言葉が私の心に響いた論語です。

takako.n

Sifuあだちや 土に還る鞄 #3

~ 紙布への疑いと知るへの疑い~

 

「88」・・八の漢数字は日本や中国では末広がりを意味し、縁起の良い数字として慣れ親しまれています。また西洋では8を横にし宇宙に無限に末広がる意味合いもあるようです。

日本では88歳は八十八を一つの文字としてくっつけると米の字になることから長寿として米寿のお祝いとしてきました。

 

7月の上旬、水戸へと行き紙布作家の桜井貞子先生と一緒に紙布の普及に邁進された方のもとにお線香をあげに伺いました。

梅雨時期であるはずが、あまり雨も降らずこの日も晴天の32度を超す暑い日でした。先日米寿を記念しての紙博での作品展を終えたばかりの桜井先生は、これからまた更なる目標を話され、外の熱気などモノともせずです。

その後も私のものづくりの好奇心を掻き立てる紙布制作の作業場で、話が尽きず和紙~紙布~江戸小紋 などなど

何十年も和紙と携わっておられる先生は和紙の更なる奥深いところを説明してくださいました。

11月~1月の寒漉きの良質の和紙を先生は、紙糸にして紙布へと織り上げます。皮は現在はソーダ灰か苛性ソーダで煮るのが主流ですが、先生は、灰汁煮してできた和紙は最高だと、おっしゃいます。その後和紙は1~2年は寝かしたほうが良いそうです。

そして非繊維素(ひせんいそ)が混ざる方が強い和紙となり、晒し(さらし)すぎると弱い和紙ができてしまい、紙糸として染める際も、非繊維素があった方が染まりやすいそうです。しかし、非繊維素がありすぎると、反対に固くなりすぎるといった、とても繊細なバランスを要求とされるのが、先生の紙布用の和紙なのです。

非繊維素がある和紙は黄色っぽい色をしていますが、障子に張られると、紫外線を少しづつカットしながら徐々に白く変わってくるそうです。

そのような条件でできた桜井先生の紙布は、着物などに仕立てられ、時々、私のところでは鞄など衣類以外の形状へと製作いたします。

先生は実際にいつもよく使ってくださり、感想やあらゆるアドバイスを受けます。

紙布ショルダー・バッグinバッグ
紙布~桜井貞子先生/綿紙布(藍染)

このショルダーはBag in bagで、ナスカンとDカンで繋がるようにしており、ポーチの開け閉めはファスナーで、ショルダーの口元は大きく開き革のボタンで閉じるようにデザインされています。

肩部分は、負担を軽減させるため、丸みをだしたくるみのデザインにしています。

桜井先生は小柄ですが、お着物をお召になることから、袖が邪魔にならないように余裕をもたせました。

「Sifuあだちや」のトートのほうも、汚れては洗ってと、よく使ってくださってますが、「持ち手が一番汚れるのよね。」と、先生。

お伝えするのを忘れてました・・・

持ち手をつけているDカンは、マイナスドライバーで鞄からはずせるようになっているので、持ち手だけ洗うことが可能なのです。

 

先生は、シューズなどを洗うブラシでゴシゴシ、ゴシゴシ!?洗っているそうです。

私は、洗剤を湿らせた布で叩くように洗っているのかと思っておりましたが、「紙布は強いから、特にあなたの紙布は丈夫だから大丈夫。私は紙布を知り尽くしてるから。」

ちょっと、私自身がビックリ・・、「えっ!ブラシでですか?」

いくらなんでも、紙素材を・・と思っていると「そうよ。こうやってね、ゴシゴシとブラシで汚れをとるの。ぶら下げて干して、アイロンはまだかけてないけど、ほらね。」と

確かに、汚れは取れているようですが、

ケバケバもたっていません。

あ~。紙だからか・・ケバだたない。

またまた、紙布の不思議に出会った感じがしました。

「凄い、凄い!」とにやけ、とにかく、桜井先生と話すと発見者になった気分になり楽しくてしょうがないのです。

先日作った和紙の組紐も持参していたので見ていただきました。

「ねじって、何かに使えないかしら・・」と、目を輝かせて好奇心を覗かせる桜井先生は、本当にコケティッシュな女性なのです。

桜井先生は、古き伝統を好んでらっしゃいますが、意外と新しもの好きなんだとも、思いました。だから、メールを打つときの指の動きが早い早い。

ご自身は「私はスマホは持たないの。持ったら多分のめり込んでしまうのがわかるから(笑)」とのこと。 依存を心配されてるのでしょうか(笑)

先生の「紙の博物館」でしめておられた江戸小紋の帯に話が及ぶと、江戸小紋の型は、和紙を何枚も重ねて、柿渋を塗ったものを型として使うようです。ガラスで透かして白い箇所に糊をのせ、染まらないようにして染色をする技法であるようです。

型は江戸時代に制作されたもので、大事に保管しながら、傷めば専門の職人さんが修繕しながら使っているそうです。

「桜と蝙蝠」
型紙:小宮康孝先生 収蔵
染  :島田染工

こちらのゆかたは、桜とこうもりの柄の、両面江戸小紋で、裏面も染色された貴重な品です。

蝙蝠は縁起の良い柄らしく、なぜだかはわかりませんが、中国では、害虫を駆除する縁起の良い動物とされているようですが。そこからきているのでしょうか・・・・・

いつか、詳しく調べてみようかと思います。

こちらは、鮫小紋という型紙を使った、江戸小紋らしいです。

とても細かい柄で、この白抜き箇所に糊をのせていくのです。

本当に素晴らしいです。

日本の手仕事の匠の技です。

江戸小紋に対する、私の好奇心がむくむくと、湧き上がってきました。

 

毎回、桜井先生のところに伺うといつも日が落ちるまで話し込んでしまいます。申し訳なく、そろそろ失礼しなくてはと切り出したところで、先生が「これで、またバッグを作りなさい。」と私の目の前に出してくださいました。

 

紙の博物館で「チョッキ」として展示されていた諸紙布の裁断の残りでした。

染色は紅茶でしており、縦、横とも和紙なので、もともとは半反(約7m程)を織り上げておりますが、和紙は48枚~50枚とふんだんに使っているそうです。

横糸が6mm巾に切った紙糸を使いますが、縦糸はそれより細く3mm巾に切って撚りあげた紙糸を使うのです。

そんな貴重な諸紙布を私に託してくださり、帰りの車中では、ブラシでゴシゴシを思い出しながらひとり、ほくそ笑みながら、ポリフェノール加工を施した革とのコンビ使いにしようと想像しながら、帰路を急ぎました。

 

「疑うがゆえに知り、知るがゆえに疑う」

うたがうがゆえにしり、しるがゆえにうたがう

いつも当たり前に思っていることは、本当に当たり前なのでしょうか?見方をこれまでと違った角度から変えて見てみると、これまでと全く違った風景が見えてくることもあります。

そして、新しい見方を手に入れることで、これまでの常識に対して疑問が生まれるのです。これを繰り返すことで、私たちは学び成長するのではないでしょうか。

今日はこの言葉が私の心に響いた論語です。

takako.n

 

 

 

 

Sifuあだちや 土に還る鞄 #2

 

 

 

紙の博物館で開催されておりました、紙布の作品展は6月4日をもって無事閉幕いたしました。

桜井先生の作品を心待ちにしていらした方々には、紙布の素晴らしさにさぞ感動されたことと思います。5月に展示品の入れ替えがあり2期に分かれての展示でしたので、本当に楽しませていただきました。

また、初日にお召になっていた織られたお着物も素晴らしかったですが、5月に館内で行われた実演会でお召になられていた、こちらも先生が撚って織られた絹紙布の帯もとても素敵な柄です。

田植えの柄の帯です。豊作を願う思いが込められているのでしょうか。

背後のポーズをリクエストをお願いしてしまい、レンズにおさめさせていただきました。どれも素晴らしく先生の全ての作品をご紹介したいのですが、大変迷いましたが今回は何点かご紹介いたします。

 

桜井貞子先生 / 江戸小紋:小宮康孝先生

【諸紙布~江戸小紋】

江戸小紋と呼ばれる両面に極めて細かい模様を型染めした タテ糸・和紙×ヨコ糸・和紙の諸紙布(もろしふ)の作品です。

 

 

小宮康孝先生は重要無形文化財「江戸小紋」の保持者・人間国宝に認定されておられます。

 

 

桜井貞子先生 /  和紙:江原土秋先生 【小川和紙(埼玉県)】

【絹紙布~涼風】

タテ糸・絹×ヨコ糸和紙の絹紙布風通絣着物で、染料は藍とくるみで染色された作品です。

 

【絹紙布~正氣の詩】

桜井貞子先生 / 和紙:菊池正氣先生 【西ノ内和紙(茨城県)】

タテ糸・絹×ヨコ糸・和紙の絹紙布風通絣紅梅織着物で、染料は藍で染色され、模様の部分は絹のみ、紺の部分に絹と紙で織られた作品です。

桜井貞子先生 / 和紙:菊池正氣先生【西ノ内和紙(茨城県)】

【諸紙布~花みずき】

タテ糸・和紙×ヨコ糸和紙の諸紙布風通絣帯で染料は藍で染色された作品です。

 

 

 

5月13日は紙布制作実演会が行なわれました。菊池先生の和紙の漉きから、桜井先生の紙布に至るまで様々なお話を聞かせてくださいました。そして、紙糸つくりを妹尾直子さんの実演を交えての紹介など、普段は目にすることのできない2時間に及ぶ貴重な会でした。

紙の博物館に出展された桜井先生の40年以上に渡る紙布の普及活動の集大成である作品をひとめ見ようと、遠方からも多くの方々が足を運び、また海外からもいらしてました。

 


 

私も先生の活動に感動をおぼえ、また紙布に魅了され、手織りではないけれど、この紙布を広く知ってもらう為には経済活動に繋がり雇用を生まなければと、私にできる形で日々取り組んでまいりました。

「Sifuあだちや」の更なる進化のなかでまたあらたに加わったものがございます。

それは、和紙の紐です。

4月に東京都立産業技術研究センターのご協力のもと、生産可能な8錘と16錘の組紐を編むことができました。

左←染色~柿渋(茶色)    右← 染色~うこん/ターメリック(黄色)

堅牢度・引張り強度も同様機関:東京都立産業技術研究センターにて検査を依頼し数値も検出していただきました。

しかし、その数値が一体何を表すものなのかが今ひとつわからないので、ひとつ、ひとつ検証していくことにいたしました。

生活の中で利用できないと意味がないので、先ずは穴のサイズも丁度よかったので16錘のウコンの組紐を使って工場長の毎日通勤に履く靴紐としてしばらく使用してもらうことにしました。

運動選手が履く靴とは違うので、負荷のかかり方は実用的な検証に繋がるかどうかは未確認ですが、とりあえず、毎日履いているので、試してもらいましょう。

綿糸より和紙糸の方が軽量なのですが、感覚的にその違いまでは感じ取ることができるかどうか微妙ですが、できたら、その靴をはいた状態で長距離を走る検証もしてみたいですね。

 


 

前回のブログの書き込みから3ヶ月もの月日が流れました。

この期間にも紙布にかかわる様々な出来事はありましたが、悲しく残念なこともありました。

紙布がご縁で私と同じ病気と闘いながら、紙布を製作し続けていた方の訃報が届きました。

「Sifuあだちやが生み出すアイデアがすぐ形となって実行されすごいなぁ。これからもお体の調子をご相談なさり素敵な作品をどんどん作って下さい」

と私を気遣ってくださりながら、先日お手紙をくださったばかりの方でした。彼女は素晴らしい紙布の作品を残されました。

私はこの訃報を知った翌早朝、農園へ続く道をひとり歩きました。

何とも言えない様々な思いが込み上げて、家族や身内の顔が脳裏に浮かんできたのです。いつの間にか歩く速度も早くなり、目頭が熱くなるのを感じたその時足を運ぶのを止め立ち止まりこぼれ落ちるものを押し止めようと空を見上げました。

立葵(たちあおい)~花言葉;大望、豊かな実り、気高く威厳に満ちた美

その視線の先に、農園を取り囲むように「立葵」が空に向かって咲並んでいました。

葵は高く伸びた茎に花をつけたことにちなみ、大望・豊かな実り・気高く威厳に満ちた美が花言葉とされております。そのことから、子供の未来の成長を願い「葵」が名付けにおいてもよく使われるのです。

「そうだよね。」「まだまだこれからだよね。」凛とした立葵を見上げながら、紙布の仕合わせを更にのばして成長させていくことを誓い、また農園へとつづく道を歩き始めました。

 

 

「 いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」

いまだせいをしらず、いずくんぞしをしらん

生を受けた時から、いつかは必ず死ということを体験しなくてはならないのです。死とは何か、しかし、いくら考えても、なぜ、私が生まれたのかとの問いと同じくらい知り得るのは難しいことでしょう。

しかし、それは、与えられた「生」を大切にし、精一杯いきてこそ、生きる意味、使命が明確となり、私の生と死の意味がわかるのかもしれません。

今日この言葉が私の心に響いた論語です。

takako.n

 

 

 

 

尊敬の念とともに、心からのご冥福をお祈りいたします

 

 

 

 

Sifuあだちや 土に還る鞄 #1

 

 

 

3月にはいり、別れを惜しみ、旅立ちにエールを贈り、贈られる人たちの季節となりました。渦中にない人であっても、懐かしさに思いを巡らせるのではないのでしょうか・・・・

私の工房では相変わらずのバタバタした状態が続いておりますが、数々の展示会出展を経験し1月に開催された足立区主催の「あだちメッセ」への出展とプレゼンテーションが無事に終わったことに、いくらかホっと胸をなでおろし、現在は販路開拓へと活動する日々です。

展示会も何回かこなすうちに、ブースづくりにおいては、随分手際よくなってきたかと思います。

紙布(美濃和紙)×紙ファスナーのトート

 

2日間開催されたあだちメッセでの「Sifuあだちや」のブースは毎回人だかりで、たくさんの方が訪ねてくれます。

やはり、皆さん環境への関心が高いようです。

 

 

順調に2日目をむかえ、7社のプレゼンテーションのうち、私の順番は一番最後でした。ここぞという時に、トラブルとは発生してしまうのでしょうか・・ppt(パワーポイント)を使用するためのパソコンにハプニングがおき、間際での変更が必要となってしまいましたが、会場の係りの方と助手についた社員の冷静な対応で事なきを終えることができました。

私たちのプレゼンの様子をビデオで撮っていた社員は、感極まって涙で曇ったなかでも、しっかりとレンズにおさめてくれました。(私も様々な思いの中でもらい泣きをしてました・・)

プレゼンでは作業風景と手織りシーン動画も構成された内容で発表いたしました。音源も取り入れ、楽曲使用許可をとった中島みゆきさんの「糸」を使用しました。

ここで、ちらっとご紹介しようと思いますが、音源は入れることができないので、無音で作業風景をお伝えします。時おり、手織りのシーンも入りますが、無音の為、冒頭の機織りを踏む音がお伝えできないのが残念です。想像しながら思いを巡らせて下さればと・・・

 

             ⇒紙布バッグ~ものづくりの風景動画

 

 

 


 

紙布~桜井貞子先生作品展の告知です。

3月18日(土)~6月4日(日)

紙の博物館(東京都北区王子 JR王子駅)

私が紙布に携わるきっかけとなりました、桜井先生の88才の米寿を記念しての作品展です。紙漉きの菊池正氣氏の作品や、桜井先生のお弟子さんの作品も直接見れるので是非ともお薦めです。

山崎協子さんも出展されるとのことで、私の中で、熱い思いがこみ上げてきました。私も頑張らねば・・・と

 

 

(第2のステージVer.5でご紹介した妹尾直子さんの作品も展示なさいます)

紙布帆布として構想、開発、生産可能な商品化として着手してもう少しで3年となります。

先人たちの知恵により生まれた「紙布」を、日常生活の中に取り入れるには、現在の技術をもって更に進化させ、あらゆる可能性に挑戦し続けることが必要なのではと思えるのです。その為には、今でしかできない事の一つ一つの積み重ねが、未来を創りあげると考えております。

それが遠回りに思えることであっても、無駄なことではなく、、あきらめずに積み重ねることが結果、近い道のりであったりもします。

皆の支えと協力者を伴って旅立ちと出会いのこの時期、Sifu(紙布)と私は、次への挑戦へと舵をとるのです。

「千里の行も足下より始まる」

せんりのこうもそっかよりはじまる

目的地が遥か彼方に感じられるとき、あまりの遠さに不安や迷いがでてきます。しかし、どんなに遠い道のりも、着実に歩みを進めればたどりつくのです。あきらめずに一歩を踏み出して一つ一つ積み重ねることが大切なのです。

今日この言葉が私の心に響いた論語です。

takako.n

 


 

今日、未曾有の東日本大震災より6年が経ちました。いまだ、避難生活の中で3月11日を迎えた方々が数多くおられます。

犠牲者の方々への心よりのご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

Sifu(紙布)  one’s happy vegetative life  ver.9

 

ボタニカルな生活最終

久しぶりのブログ更新です。

昨年11月から12月にかけての両国国技館、東京ビッグサイトの展示会出展、そして来週の展示会準備などなどに追われブログに向かう頃には、2017年になってしまいました。今年も何卒宜しくお願いいたしますm(_ _)m

ボタニカルな生活も、いよいよ終盤にはいり、野菜の最後の収穫と、次シーズンに向けての土作りには、工場長が小型耕運機持参であっという間に終わらせてくれました。

季節はすっかり冬となり、早朝霜で白くなった農園を歩く私の足元ではサクサクと音をたて、空からは時々ひらひらと白いものが舞い落ちはじめてます。

昨年撮った写真も今見るとまだ暖かくも感じます。

 

日本には身近なところでも四季の素晴らしい自然の移り変わる表情を魅せてくれるので、ホッコリさせてくれた秋の配色に思わず足をとめました。

 

ウオーキングコースの秋の始まり

ここも、あと2ヶ月もすれば桜が満開となる春が訪れます。

 


 

 

この1月、私たちが紙布をはじめて”土に還る鞄”としてお披露目した「あだちメッセ」からもうすぐ1年がたちます。

茜染トート大・茜トート小持ち手取り外し式

今回2度目となる展示会「あだちメッセ」出展では、プレゼンに参加することとなりました。今、その準備としてスライド作成の追い込みをしています。助手につく若手の職人が練習を何度かできるようにと思ってはいるのですが・・

 

吸収の早い彼女であれば、大丈夫と安心はしています。若いとはいえ彼女の祖父母は鞄職人であり、また両親も鞄職人といった鞄職人のサラブレットと言っておきましょうか。

ということで、展示会の原点となった足立区主催の「あだちメッセ」が控えていることもあるので、製作現場である職人たちに再びスポットをあててみようかと思います。

弊社は、創立から15年ではありますが、職人のものづくりのスキルは以前のブログで語ったようにとても高いものがあると言っても過言ではないのです。

メニサイド創業前からそれぞれものづくりに携わっており、縫製職人歴は30年以上、型紙職人歴も30年の実績を持ち、裁断職人歴も15年と経験を積み、短い職人でも10年以上といった職人たちと一緒に内職さんも日々頑張っているのです。

最近、Made in Japanに拘った商品が増加すると共に、国内製造の需要がここ、何年か急増しております。そして”ものづくり”に携わりたいといった人たちも同時に増える中、実際デザインは考えるが自分で生産は難しい為、製造できる現場を探すのに皆さん苦労をしているようです。

そんな現状ですが、日本は以前はたくさんの縫製工場がありました。

しかし、人件費の安い海外へ商品が多く流れてしまい、生産量の減った国内の縫製工場は次々と減少していきました。数え切れない多くの人が縫製職人といった職業から離れていきました。このことは、他業種でも同じことが言えることでしょう。

自ら身につけた熟練した技術を持つ職人とは、4年、5年で培われるものではありません。

熟練した技術と実績とは、長い時をかけた繰り返しの作業に付け加え、幾度もの挑戦と失敗と再生を経験値にかえ、実績として積み上げていくことです。

生産に入る前のサンプル製作の打ち合わせの時点で、お客様の依頼となる元となる図面では多分イメージをしておられる形状とは違う形で仕上がるであろうこともその時点で確認できることも度々あります。また、生産時の効率化を図るための形状修正、それによるコストダウンなどあらゆる視点から確認していき丁寧に説明と打ち合わせをし、出来上がってからの修正、生産時のトラブルをなくすようにするのです。

このことから、社員の職人としての長年の経験と知識が重要となるのです。

ものづくり” = ”人づくり” が重要だと私は考えるのです。

私は紙布との出会ったことにより、存続、継承、未来像、とあらゆる点で当てはめて考えることが多くなりました。それには、次なる職人の育成にも役立つのかもしれません。

私たちが目指す、many saide=(多面的)ひとつの見方に囚われず、あらゆる視点から”ものづくり”を考える。この取り組みは日々の小さな事柄から皆で話し合って実践しています。時には、勇気のいる決断も必要とするのです。

そんな経験豊富な職人たちの手によって誕生した紙布バッグの展示とプレゼンは1月26日27日10時~18時(27日は17時半)北千住マルイ11階で開催いたします。

 

詳しいことは「あだちメッセ」へはこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「下問を恥じず」

かもんをはじず

わからない事や知らない事を相手が部下や年下であっても、また娘や息子であっても素直に恥とは思わず聞くことができますか?立場や年齢が高くなると教えてもらう事が恥と感じて、周囲からも教えてくれる人であることを期待され、教えられる人ではなくなります。

日々、一刻一刻の変化の中で、順応の早い若い人の方が先に知ることも多くなりました。些細なことでも、わからない事は、部下であっても後輩であっても素直に教えを請う事で自分が賢くなるだけでなく、相手も人の役に立つ喜びを感じてくれるのです。

 

今日はこの言葉が私の心に響いた論語です

takako.n

Sifu(紙布)  one’s happy vegetative life  ver.8

 

ボタニカルな生活予想外の珍客

土曜日の早朝、展示会も無事終わり久しぶりの農園作業です。出勤するまでの少しの時間ですがリフレッシュにはとても貴重なひとときです。

今年二つ目の里芋の掘り返しは、前日降った雨により、茎を揺らすと楽に抜けました。と、幼虫がゴロゴロ。何..なに..この胴体が白い幼虫は・・・

kabutomusi-1
beetle

そばにいた人に見てもらうと、それはクワガタかカブトムシの幼虫であるらしいとのことでした。

とにかく、冬眠を邪魔してしまったようなので農園を管理するおじさんに、藁とおがくずを用意してもらい幼虫たちに引越ししてもらいました。

しかし、少し掘るとまたゾロゾロ~。白いものが私の里芋のところから出てきます。時間に限りがある為、次回の里芋堀りまで残りは土を戻して放置することにしました。

この後、スマホでググってみるとカナブンやコガネムシの可能性もでてきました。農園のおじさんに聞くと、このようなの幼虫が現れたのは私のところだけのようです。 カブトムシならこんな街中の農園で見つけるなど珍しいことなので、カナブンか、コガネムシなのでしょうか・・・・

でも、もしカブトムシかクワガタなら堆肥にまぎれてきたのかもしれません。

しかし、そう考えるより、田舎暮らしに飽きたカブトムシが都会に憧れてたどり着いた先が私の畑だった。なんてこんなふうに思うほうが素敵かも….と一人思いを巡らせるのでした。

その日、大根、人参、長葱、チンゲン菜、春菊を今日必要な分だけ収穫し、蕪を間引いて清々しい気持ちの中農園をあとにしました。

 


SIFUあだちや

 

~展示会を終えて~

縦糸を綿、横糸を美濃和紙を使った帆布、Sifuあだちやの両国国技館での展示会は好評と、称賛の中、無事おえることができました。

ご来場くださいましたたくさんの方々、そしてわざわざ、平日の忙しい中私どものブースへとご訪問くださいましたお取引先、御夫婦、友人の皆さんありがとうございました。

そして、このような機会を提供くださいました信用金庫さんには感謝申しあげます。

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Sifuあだちやの次の展示会は、11月30日からの開催される東京ビッグサイト東7.8ホールです。東7-#409のブースでたくさん方々に紙布をご紹介して、そして感じてもらえる貴重な3日間です。

私は、たくさんの方々の思いと、協力、助けがあってここまでくることができました。両国国技会での出展の日、私は社員を残し少し早めに展示会場をあとにしました。

ある場所でプレゼンをする為です。

このプレゼンをするに至ったのは、マッチングクリエーターのN氏からのお勧めがあってのことでした。

私にとって、はじめてのプレゼンでした。

そのような経験をさせて頂くことが、そして、勧めてくださったことが、今後もSifuあだちやを自信をもって発信していくことと、帆布の紙布として更なる研究をするといった原動力となりました。

私は今、このように素晴らしい方々の出会いによって、未知なる経験と体験の中で学ばせてもらっているのです。

人とは、機織りにかかる糸のように繋がり、そして、その繋がりも織りながら関係性や人としても成長していくのではないでしょうか。

Sifuと私の出会いは、様々なことをこれからも静かに語りかけてくれることでしょう。

 

「仁を好みて学を好まざれば、其の蔽や愚」

じんをこのみて がくをこのまざれば、そのへいやぐ

正しき事を行い、判断する為の力を身に付ける為には学ぶことが大切です。学ぶことにより、人としてどうあるべきか見えてくるのです。

知識、誠実、実直、勇気、強い意志も同じように、正しい道を判断する力を持ち、そしていざという時に発揮できるのです。

今日はこの言葉が私の心に響いた論語です

takako.n

Sifu(紙布)  one’s happy vegetative life  ver.7

Papilio machaon

 

 

ボタニカルな生活~冬野菜

冬に近づく私の農園では人参の葉についたキアゲハの幼虫が物凄い勢いでムシャムシャとまるまるひと房分綺麗にたいらげています。  寒くなる前に急いで蛹になる準備をしているのでしょう。

ここの農園は40世帯ちょっとほど利用していますが、長雨によって人参が全滅してしまった所もありました。同じ園の中でも土の隆起など勾配によって、水はけの違いが出て借りている畑の場所によって、育ち方も違ってくるようです。

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a taro

4月に植えた里芋がようやく収穫を迎え、一つの種芋から40個以上の里芋が採れました。

ジャガイモは2~3ヶ月でできるのに対して、半年ほどかかる里芋は、親芋、子芋、孫芋と沢山連なってできるのです。寒くなるこれからの季節、里芋を食材とした暖かいメニューが食卓を賑わしてくれそうです。

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大根も元気に沢山育ってます。
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高騰しているキャベツが収穫できるのが待ち遠しいですね

 

 

 

 

 

 

 


img_1914さて、美濃和紙からなる”地球や人にやさしい紙布バッグ”「Sifuあだちや」の進行状況ですが、11月に出展予定をしておりまして、社内の展示会への準備も本格的になってきました。

出展商品はこれまでに試作品として製作したminiトートから3Lトートまでのあらゆるサイズです。

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持ち手の紙布はビワで染色 ~本体生地は生成とクルミで染色

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底染色~茜 持ち手染色~玉ねぎ
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生成り×茜染 ~夕焼けの茜空は、この茜という植物から由来されています。 染色は茜草の根を使います。茜には抗菌・消臭・保温があることから、昔は赤ちゃんの産着、女性の腹帯、男性のあかふんどしなどに用いられておりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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生成り×カテキューログウッド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、更にこの冬の注目のニットとのcllaborateでポーチを製作いたしました。

Sifuあだちや(紙布)×Siffon(ニット)

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Siffonのニット生地にも、勿論美濃和紙が混ざっております。

リバーシブルである点を使って2色のポーチを製作します。

勿論、ファスナーもトート同様環境配慮型分解ファスナーを使います。

 

 

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口元のファスナーも大きくあき、中の物が出し入れしやすくなっています。

 

Sifuの引手飾りは全て取り外せます。

 

 

 

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弊社の若手職人も、ニットとのコラボ商品は軽くて肩にかけても負担が感じられなく、大きなバッグと一緒に、お財布やパスポートなどをしまうサブバッグとして一押しのポーチができたと、喜んでます。

折柄は美濃和紙の糸を食べるヤギといった、遊び心がきらりと光ります。

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左←化粧ポーチ  ショルダー付ポーチ→右

 

Sifuあだちや~ 11月展示会出展予定

ひがしんビジネスフェア2016

11月9日9:30~16:00両国国技館

入場無料 出展小間番号 A-119

↓ここをクリック。

両国国技館展示会へはこちら

中小企業・新ものづくり・サービス展

11月30日~12月2日東京ビッグサイト

入場無料 出展小間番号 東7・409

↓ここをクリック。

東京ビッグサイト展示会へはこちら

紙布は、その昔伊達藩において夏の衣料として織られておりました。(ここをクリック~history2015.10.29

その為、涼しげな夏季のイメージを暖かみのある冬季へともっていくのが課題でしたが、美濃和紙を織り込んだ暖かみのあるニットのSiffon(しふぉん)とのコラボを丸安ニットさんに提案させていただきました。

多くの方々に、日本の紙布を知っていただきたいと思っております。両国国技館と東京ビッグサイトにおいて11月の展示会へ出展いたします。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

⇒お問い合わせはこちら

 

たくさんの技術、知恵、手をかりて、これからもまだまだ進化しつづける”Sifuあだちや”なのです。

 

「吾行うとして二三子と与にせざる者なし」

 

われおこなうとして にさんしとともに せざるもおのなし

私たちにとって今、チームが一丸となって、各々の能力を発揮し協力し合うことが目的の達成へと進む大事な時です。特にリーダーであれば率先して、チームとともに働き、自分の能力を出し切ることが大切なのです。

 

今日はこの言葉が私の心に響いた論語です