Sifuあだちや 土に還る鞄 #5

~袖振り合うも他生の縁 と紙布の縁~

 

 

紙布とは、使い込んで、洗い、また使い込んでいくほどに、使う人の経年変化が出てきます。ある種、革と似ています。

仙台藩白石(現・宮城県白石市)では、城主片倉家の保護・奨励のもとで当時盛んに紙布が生産されておりました。

しかし、幕府体制の崩壊と明治時代以降の産業の発展に伴い、白石の紙布は大正期には途絶えてしまいました。

昭和15年(1940)、片倉家子孫の片倉信光氏は、奥州白石郷土工芸研究所を設立し、郷土の伝統工芸の復興に尽力しました。研究所設立により以前に取り組まれていた紙布づくりは、昭和16年に復活しましたが、戦争により再び顧みられなくなったのです。

片倉信光氏が言います。(旧仙台藩家老・白石片倉家第15代当主)

「紙布とは使い込んで完成品」


11月は荒川区産業展への出展販売をはじめ、東京ビッグサイトで開催された「新価値創造展2017」への出展と、多くの方々へ紙布の紹介と紙布を通じての色々な出会いもありました。

そのひとつ、3人の女性たちとの素敵な出会いは、紙布の新しい形を表現してくれたのです。

こうてん桑に咲く「紙布花」

紙布を花に見立てて、花のランプシェードを制作してくれました。

彼女たちは今年、文化服装学院を卒業しそれぞれフリーランスで活躍している “参” のデザイナーです。

 

BEBI ・・・・・服作り人  1995年横浜市出身。 在学中より雑誌やミュージックビデオに衣装提供、スタイリングを行う。卒業後は投資を受けアパレルブランドの立ち上げ・商品作成をし今年8月に即売会を開催。12月に個展開催予定。今あるものを材料にした再び着てもらえるアート  Instagram : @sayabebi 

ChaNkRo ・・・・・1995年千葉県出身。  文化服装学院卒業後、渡英。 独自の作風のイラストを中心とした活動に加え、Tattoo stickerの製作、写真、アクセサリー製作など様々な場面でも活躍中。 東京とロンドン合わせて2回個展を開催。     Instagram : @k.chankro  

HANA ・・・・・1995年埼玉県出身。  即興的な感覚を重視したものづくりを作風としている。 今年8月にkotohayokozawaと共に表参道rocketにてアクセサリーのイベントに参加、12月からWALL福岡にて初の個人でのポップアップを展開する。  Instagram : @hnmn06

こうてん桑に咲く「紙布花」は東京ビッグサイトの新価値創造展でのブースを彩ってくれました。彼女たちの今後の活躍がとても楽しみです

新価値創造展2017 
新素材 I-195

 

12月は6日より3日間東京ビッグサイトで開催される「新ものづくり・新サービス展」(東7.8ホール/G47)に出展いたします。その時も「紙布花」が彩りをそえてくれます。

和紙の組ひもと、紙ファスナーを使った「紙わざ」シリーズもご紹介する予定です。

「紙わざ」
一升瓶/ワインボトル 紙布袋
YKK製紙ファスナー使用
「紙わざ」
紙布袋

 

 

 

 

 

 

 

 


 

11月24日 美濃市を訪れました。

この日は、昨日から続く晴天でした。

名古屋で丸安ニットの伊藤社長と待ち合わせて車で1時間半あまり。

美濃市観光協会の事務局長池村さんはじめ、美濃市でご活躍されてる皆さんに、伊藤社長よりご紹介いただきました。

美濃市 うだつの町並み

 

こちらの、うだつの町並みで和紙に包まれた幻想的な灯りがともり「美濃和紙あかりアート展」が開催されるのです。

 

 

 

うだつがあがっている、うだつです。

 

 

 

 

「うだつがあがらない」と聞くことはありますが、こちらの町並みは、とても栄えたことで、どこのお屋敷も「卯建があがって」いました。

 

歴史ある美濃和紙の卸店~

松下永助紙店 取締役の松下さんにお会いいたしました。素敵な方でした。

九重製紙企業組合の理事長さんには、ソールフードをおしえていただきました。

 

アベイユ.エスさんのアップルケーキとコーヒーで心がほっこりです。

 

紙遊で丸安さんの靴下の購入です。

 

maffonの靴下は、和紙が織り込んであって、デザインが可愛いだけでなく、足の臭いにお悩みの方にも最適です。

和紙の消臭力で、ブーツや、靴を脱ぐお座敷での宴会も、気にやむことは無くなるスグレモノです。

 

 

あかりアートの準備など、皆さんお忙しい中ご親切なご対応をいただきました。本当に感謝申しあげます。

 

紙布から~、織るように繋がりが広がっていきます。11月も、素敵な出会いがたくさんありました。


 

 「 袖振り合うも 他生の縁 」

そでふりあうも たしょうのえん

一生のうち私たちは、何人のひとと出会うでしょう。お互いの袖が触れ合うだけの出会いであっても、この広い世界にいる人々の極一部の人でしかないのです。

その一瞬の出会いであっても、もしかして前世からの縁なのかもしれません。その出会いが起こる確率を考えると、小さな出会いであっても、大切にしたいとの気持ちが生まれれば、その出会いはこれから大きく広がる出会いの始まりかもしれません。

袖振り合うも 他生の縁 紙布に出会ってから、小さな奇跡の出会いが続いているように思えるのです。

今日はこの言葉が心に響いた言葉です。

takako.n